久しぶりに以前通っていたオフィスに顔を出しました。
ドアを開けて中に入ると、スタッフが一斉に挨拶をしてくれます。
皆元気そうで、なによりです。
机にはそれぞれアクリル板が貼られています。
女性スタッフが飛んできて、手の消毒を促してから、ハンディー検温器を私の首にあてて、体温チェックをしてくれました。
しかし検温器の性能に問題があるのか、33度の表示を示します。
おかしいとばかりに何度も測りなおしますが、適正と思われる数値は結局得られませんでした。
中国製と思われるこのハンディー検温器は、他のオフィスでも同様のトラブルがあり、本来の役目をはたさないことが、時折ありました。
「熱はないですよね?」と私に確認した後、「ま、いいか」とばかりに入室許可がおりました。
ここは相談に見える外来者がきますので、検温器の不調は気になるところです。
日本の検温器メーカーさんに、正確に検温できる機器を手ごろな値段で、早く提供してほしいものです。
Ronny OverhateさんによるPixabayからの画像
このオフィスの責任者としばし話をします。
自粛期間中は、利用する外来者もほとんどなく、閑古鳥が鳴いていましたが、徐々に利用者が戻ってきているようで、一安心といったところです。
この職場は若者を中心に、就労や自立に向けた支援活動をしています。
昨年までは人手不足の環境のなか、それでも自立に向け一歩踏み出せない方々が相談の中心でしたが、最近はコロナ禍の影響で職を失った方々がかなり相談に見えています。
行政からの委託事業ですが、コロナ感染を恐れて行政側からは、なるべく直接会って相談に乗るのでなく、ZOOMやSkypeを活用してのオンライン相談にしてほしいとの要望が出ているそうです。
しかしここに相談にこられる方の大半は、オンライン相談に対応できるオンライン機器を使いこなせるとは思えない方々です。
こういった点でも、現場を無視した原則主義を通そうとするところは、相変わらずだなと感じてしまいます。
昔の私だったら行政側の担当者に「現場をもっと知れ!」などと嚙みついているところです。
【変わりゆく街】
オフィスを出て、懐かしい街中をしばし散策しました。
あったはずの飲み屋さん、レストラン、古本屋などが閉店してしまっていました。
この街は比較的地価が安く、交通の便もよいところから、近年若い人達に人気の街だったのですが、長年この地で営みを続けていた店が、無造作に店じまいをしている光景を見てコロナ禍の影響の大きさを実感させられます。
馴染みだった店で、お茶を飲みながら、マスターとしばし話をさせていただきましたが、やはり暗い話が中心になってしまいます。
それでもマスターは、近所の若い商店主の方々とともに、「コロナには負けないぞ!」と一歩先を見据えて結束していると聞いて、救われる思いです。
店を出て、すこし寂しい思いを抱きながら、街をあとにしました。