夏の間放っておいた観葉植物のジャスミンの木が、葉っぱが伸び放題になってしまいました。
観葉植物ですから、室内においている家も多いと思いますが、我が家の場合は、室内に適当な置き場所がないので、玄関のドアの前に野ざらしで置いてあります。
夏の間は、午後の2時から3時までは日陰ですが、その後夕暮れまでは西日にさらされます。
室内よりは外において日に晒されますので、葉の伸びが早いようです。
手入れをしようとは前から思っていたのですが、伸ばし伸ばしになっていたのです。
この週末に、鉢植えの紫蘇の木を処分するついでに、伸び放題のジャスミンの葉を刈り込みました。最初に黄色く変色した葉の部分を落とします。
黄色くなった葉の箇所は、手で触っただけで幹の部分もろともポロリと落ちてしまいます。
上に伸びようとする部分は、大胆に躊躇なく切り落とします。
これから秋が深まろうとするこの時期に、ここまで刈り込んでしまってよいものかどうかわからないのですが、鬱陶しいのですっかり丸坊主状態にしてしまいました。
落とした葉や幹の部分は、小さなゴミ袋にいっぱいです。
【この木にまつわる切ない思い出】
このジャスミンの木は、我が家にとってある思い出が残る木なのです。
一階下に、妻が懇意にしている奥さんがいました。
しょっちゅう行き来しては交流していました。
パンが焼けたといっては届けてくれたりしましたので、我が家も旅行や外を出歩いたときには、必ずといっていいほどお土産を買ってきたものです。
そのご夫婦には子供がいませんでしたので、娘たちが小さい頃には、よく可愛がってもらったものでした。
しかし数年前に、あれほど行き来していた奥さんから連絡が来なくなりました。
妻は何かあったなとは察したようですが、相手が何も言わないので、そっとしておいたようです。
それと前後して、毎朝犬を連れて散歩をしていたご主人の髪の毛が、私も驚くくらい、真っ白になってしまいました。合わせて夜などに、その家の前を通りかかると、ご主人の激しく咳き込む音が外まで聞こえてきます。
それから暫くしたある日、妻のスマホに奥さんから一通のメールが届きます。
「ジャスミンの木を貰ってくださらない?」という内容です。
察した妻は「いいですよ」と返答します。
それから一週間ほどしたある日、誰にも告げずご夫婦は引っ越していきます。
ただ最低限、誰かに頼んでおかなければならないことがあったようで、それを妻に託したこともあり、我が家だけが引越し日を知らされていました。
さすがに見送りは遠慮したようですが、その直前にワンちゃんのドッグフードを、せめてもの餞別として奥さんに渡したようです。
その後、お礼のメールが一回だけ届きましたが、まったく連絡が途絶えてしまいました。
「そろそろ落ち着いた頃なので、一度会いに行こうかな」と時折思い出しては、妻がつぶやきますが、まだ実現していません。