団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

コロナ禍での敬老の日のできごと

 21日は敬老の日でした。

 

 義母がお世話になっている施設にお祝いのお菓子を届けに行きました。

 

 コロナウィルス感染を避けるため、面会が一切できないので、久しく足が遠のいていました。

 

 到着して妻だけが入館を許され、入り口から中に入ってスタッフの方に義母本人の好きな和菓子と、スタッフの皆さんへの茶菓子を渡して、義母の最近の様子を教えてもらい早々に戻ってきます。

 

 元気な様子なので一安心して、施設を後にしました。

 

 家路につく途中で買い物をしていると、妻の携帯に連絡が入ります。

 

 施設からの電話で、今会えなかった義母が電話口にいるので、お話ししてくださいとのこと。

 

 義母の「もしもし」という声が聞こえたので、妻が話しかけました。

 

 義母は耳が遠く補聴器をつけているのですが、補聴器の調子が悪いようで、妻が話しかけても聞こえないようです。

 

 妻が大きな声で何度か話しかけるのですが、会話になりません。

 

 諦めてスタッフの方に代わってもらい、お礼を言って電話を切ります。

 

 またオンライン面接に申し込んで、顔を見せることにしました。

 

 休日明けには、補聴器店に連絡をして、修理を依頼しなければなりません。

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       KangbchさんによるPixabayからの画像

 

【ガラスごしに再会する親子】

 

 その日のニュース番組で、老人ホームにお祝いに駆けつける息子・娘が窓ガラスごしに母親と再会する取材シーンが映し出されました。

 

 母親は95歳、面会に訪れた子供たちは70代と60代です。

 

 施設のスタッフが車いすに母親を乗せて窓ガラスのそばに近づいてきます。

 

 息子・娘たちは手を振って、母親に声をかけますが、母親は認知症らしく、最初は子供たちの顔が目の前に見えても無反応です。

 

 娘が「お母さんに部屋に飾ってもらおうと思って、花を買ってきたよ」と花束をだしてお母さんに見せます。

 

 そのようなやり取りをしているうちに、母親の表情が少しずつ和んできます。

 

 15分の面会時間はあっという間に過ぎ、施設のスタッフが面会の終了を告げました。

 

 子供たちがバイバイと手を振ると、母親の目から涙がこぼれます。

 

 それを見た娘は、「またすぐに来るからね」と涙声で母親に言います。

 

 車いすが後ろ向きになる間際に、母親が手を挙げてバイバイと手を振りました。

 

 その光景に、私も思わずもらい泣きしそうになりました。

 

 と同時に、超高齢化社会となった今、60代70代は敬老の日にお祝いされる側ではなくなったのだと現実を思い知らされたものです。