今回のコロナ感染騒動を通じて、各お役所の仕事の流れが、いかにデジタル化が進んでいないかが浮き彫りになりました。
なかでも象徴的な光景は、コロナウィルス感染者を確認した医療機関が当初、保健所への発生届をファックスで送信し、都道府県への連絡にもファックスが使われていたことです。
多忙を極める病院や保健所では手間がかかる作業だったに違いありません。
ファックスでしか情報を共有できないほど、行政機関の間に壁があることが、改めて浮き彫りになった格好です。
国や自治体は、情報漏れを防ぐために独自のシステムを構築していて、それがデジタル化を阻んでいるといわれています。
「縦割り行政の弊害」が叫ばれて久しいのですが、デジタル化が急務となった今、相当な覚悟と政治のリーダーシップが必要となってきます。
数少ない街中の公衆電話を利用したことがないため、公衆電話の使い方がわからない子供たちが多いと言われています。
同様に「ファックスって何?」という子供たちもたくさんいるようです。
我が家にもファックスがありますが、固定電話を設置した時に、おまけのように付いてきたものです。
いまやファックスはほとんど使われておらず、昔働いていた組織のOB会から「○○さんが亡くなりました」という訃報の知らせが、たまに届く程度です。
それも印字機能が不具合を起こしてしまい、面倒なのでそのままにしてあります😊。
総務省が5月に公表した通信利用動向調査によると、ファックスがある家庭は33%で、3世帯当たり1台です。
年代別でみると20代はわずか1%、30代は7%の低さです。
スマートフォンやタブレット端末が普及するにつれ、ファックスは若い世代にとって、縁遠い存在になりつつあるのでしょう。
そのように時代が変化しつつある中、行政の現場ではいまだに報告・連絡の手段に、ファックスが中心的に使われているという現実があります。
ファックスを悪者にするわけではありませんが、行政事務のデジタル化が進めばすすむほど、ファックスに頼る報告・連絡は少なくなっていくはずです。