先日久しぶりに樋口恵子さんの健在ぶりをテレビで拝見しました。
同年代の黒柳徹子さんの番組です。
樋口さんといえば、かつて定年夫を「濡れ落ち葉」と称して一躍注目され、1989年の流行語大賞新語部門・表現賞に選ばれた人です。
それからもユーモアに富んだ社会風刺を文章や語録に残してきました。現在88歳ですが、黒柳徹子とのやり取りを聞いていても、軽妙な語り口は健在です。
私は昨年「濡れ落ち葉にはなりたくない」とブログに書きました、妻に鬱陶しがられるような定年後の生活をおくるのは、まっぴらごめんと思っていたからです。
黒柳さんとの対談の中で、樋口さんは「私が1989年に濡れ落ち葉族と称した定年男性の方々も、時がたって随分変わりました。
今は濡れ落ち葉が乾いて、再び燃え上がる定年男性が増えてきました⁽笑⁾」と評していました。
高齢となった今、「ショクショクショク」が大事だと言います。
最初のショクは「食」です。
忙しく仕事を続けていますが、80代になると、朝起きても、空腹感を覚えることがほとんどなくなるといいます。
それをいいことに、パンを一口かじって外に飛び出し、昼は外で適当なものを食べ、帰ってきても食事作りが面倒になる「調理定年」に陥っているので、パンと牛乳で済ませて寝てしまうという生活をおくっていた結果、栄養失調になってしまいました。
これではいけないと、食生活を改めると貧血の症状もなくなりました。
しっかり食事をすることは生きることの基本だと強く感じているそうです。
2番目の「触(ショク)」はコミュニケーション。
一人で食べている「孤食」の人の死亡率は、みんなと一緒に食べている人の1.5倍という研究結果もあるそうです。
顔を見合わせながら食べられる仲間をつくっておくことはとても大事だといいます。
また年を取るとなかなか遠くへ行けなくなりますので、地域社会に積極的に関わったり、自宅を開放して人に来てもらうのもいいかもしれないとのこと。
3番目の「職(ショク)」は働くことです。
高齢者は社会や地域のために、役に立つような働き方をすべきといいます。
高齢者は非力でありますが、無力ではありません。0はいくつ足しても0ですが、0.1は10個足せば1になります。
力を出し合って、みんなで助け合い、地域の中などでルールを決めてお礼をし合うというような、いくつになっても働けるシステムというのをぜひつくって欲しいと力説していました。
また「私たちは先進国の中でもいち早く「人生100年丸」で出航しています。初めてのことですから、わからないことだらけで、正確な海図もまだできていません。
でも初代乗組員になれたことに誇りと喜びを持ちましょう。」と提言しています。
樋口恵子88歳、黒柳徹子87歳、「人生100年丸」の船長クラスの二人の対談は興味深いものでした。
やはり女性のパワーにはかないません😢。