団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

自粛解除後の「一緒に食事をする習慣」は?

 経済活動再開にむけて模索が始まりました。

 

 新しい生活様式を前提の経済活動再開ですから、3つの密⁽密集、密閉、密接⁾をなるべく避けることに変わりはありません。

 

 昨日は場所によっては30度を超す陽気になり、仕事の帰りに思わずビールを飲みたくなり、何人かの仲間で飲みに行ってしまったという人が多くいるようです。

 

 自粛生活が続いたことによる反動も相俟って、気が緩んでしまったということなのでしょうか。

 

 今後、気温が高くなる日が多くなります。

 

 1日の終わりにビールを飲んで帰りたくなる人も多くなるでしょうから、自粛解除後は、店側も客の密集を避けるため、入店人数を制限したり、座る間隔を話したりといった工夫が求められます。

 

 新しい生活様式のもとでの「飲みにケーション」の姿もこれまでとは変わっていきそうです。

 

 霊長類研究の第一人者で京都大学長の山極寿一⁽やまぎわ・じゅいち⁾氏は、「一緒に食事の大切さ」を以下のように述べておられます。

 

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「もともと人間はこの数百万年間、信頼できる人の輪を広げるように進化してきた。脳が大きくなったのは、付き合う人の数が増えて、それに対処するために社会脳としての機能が高まったためという説がある。

 

 言葉が登場する前に人と人をつなぐ役割を果たしたのが食事である。

 

 古くから人間は、食事を社会的手段として活用することによって信頼できる人間関係を拡充してきた。

 

 しかし、今回の新型コロナウィルスは、この「共食」という行為が、自分の命を危険にさらす行為でもあることを教えてくれた。

 

 この機会に食事によって担保されてきた信頼というものを改めて考え直したほうがいい。

 

 長い進化の過程を経て築き上げてきた共食という社会力を、私たちは手放すべきではないだろう。

 

 ただ、今回はウィルスの感染を防ぐために、人間の共食習慣をいったん解いて、サルのように分散して食べてみるのも一つの方策だと思う。

 

 その際、現代の通信機器を利用してコミュニケーションを保つこともできる。

 

 対面の食事の大切さを再認識するいい機会でもある。

 

 自宅にいる機会が増えたら、家族で食事をする意味を考えてみる。

 

 感染者を隔離したときは、頻繁にコミュニケーションを取るなど、共食できない欠落感を埋める必要があるだろう。

 

 そうすれば、ウィルスが制圧されて再び食事の制約から解放されたとき、この閉塞時の気づきが人間の作ってきた共食という社会力をさらに大きくしてくれるに違いない。」

 

 もうしばらくは、「一緒に食事をすること」を我慢する生活を続けなければなりませんね😊。