【緊急事態のなかのテレワーク】
娘が週の何日かテレワークをしています。
休みの日は何時までも寝ているのに、当たり前ではありますが、8時には起きてきて、食事を済ますと仕事にとりかかっています。
出勤時には5時に起きて、6時には家を出発していましたから、通勤時間の分睡眠時間が増えるので,助かっているようです。
当初は外に一歩も出ないことから「パジャマのままで仕事しようかな」などと言っていたのですが、「ケジメはつけた方がいい」とアドバイスすると、きちんと着替えて仕事にとりかかっています。
自分の部屋にこもって仕事をしているのですが、妻がパートの仕事が休みの日などには、午前中に洗濯機をまわしたり、掃除機で床掃除をしていると、「静かにして!」と注意され、妻は私のところにきてブツブツ不満を漏らします😊。
先日カリスマ経営者として有名な日本電産の永守重信会長が「今回ばかりは私が間違っていた」と漏らしていたことを知りました。
これまで永守さんは、「テレワークなどというものは全く信用していない」と公言していたそうです。
しかし今回のコロナ危機に直面すると、認識を改め「自分の命が最優先、次に家族を守ること、仕事はその次でよい」と社員にメッセージを送りました。
永守さんで思い出があるのは、もう30年以上も前のこと、私が担当していた経営者向けセミナーに永守さんを招聘したことがありました。
当時、日本電産は新興の急成長企業として注目されていたのです。
社員の採用を決める際の判断基準はどのようなものかという話になりました。
「午前の筆記試験ののち、昼に受験者をひとつの会場に集め、お弁当を出します。一斉に食べ始めてもらい、それを隠し窓で見ています。」
食べ終わるのをチェックしていて、早く食べ終わった人から採用を決めているというのです。
それを聞いて私は、最初は啞然としたのですが、永守さんは「私のこれまでの経験から、この方法が一番間違いない」というのです。
それからというもの、日本電産は順調に成長を遂げ、モーターの世界トップ企業になりました。
【テレワークは今後普及する。しかし課題も…】
先日永守さんがNHKの取材に対して、テレワークへの認識を披露していました。
(以下、永守さんの発言の抜粋です)
今後は、会社に来なくていいですよと社員に言っています。
そんな都会じゃなくて、例えば東京だったら八王子よりもっと奥の方で、広い土地に家を建ててもらいたい。
その際には、自分の仕事部屋をひとつ作ってくれませんかと、その代わり会社に来るのは、毎日じゃなくて、月に1回や2回でもいいですといっています。
今のテレワークは実際に仕事の結果をみていると、仕事の内容によっては非常にうまくいっている部分もあります。
だけど多くは、いまはまだテレワークになっていないんです。
生産効率というか、仕事の効率が客観的にみても半分以下、場合によっては3分の1ぐらいしか実際の仕事はできていないです。
現状はやはり人命が大事ですから、仕事の効率を云々している段階ではない。
しかし、今からこれを変えていかないとならない。
というのは、日本人はやはり相互監視といいますか、広い部屋で、そこに課長がおったり部長がおったりして仕事をしているわけです。怠けないように。
ところが欧米人はそんな相互監視なんか必要ないんです。
マネージャーになったら自分の個室におりますし、一般社員でも、完全なブースではないけど囲いの中で仕事をしている。
こんなことを言うと叱られるかもしれませんが、日本人は、うっかり個室なんかにいたら居眠りしたりしています。
そういうことが起きるのが日本の国の悪いところなんですよ。
いまは緊急事態だから、仕事の効率が悪くても許してますけど。
だけど、これは徹底的に意識を変えていただかないと、テレワークは成功しない。
あなた自身のことはあなた自身が、自己管理してくださいと。
ところがまあ、見てもらえば分かりますけど日本の場合は自己管理できる人なんて少ないんですよ。
欧米は、何かあったらクビになるんですよ。自分のノルマが達成できなかったら。
テレワークを緊急避難的に使うんではなく、会社のあり方そのものを見直さないといけないタイミングに来ているということなんですね。
指示を受けなくても、どんどん前を向いて仕事をして、短時間で仕事を終えていく。
そういう社員が育っていかないといけない。
そういうことが出来る働き方改革。一番大事なことは日本人の働き方の意識を変えること、そのために人事制度や賃金制度などをガラッと変える必要があります。
(以上、永守さんの発言より)
どのように真のテレワークを実現させていくのか、興味深く注視していきたいと思っています😊。