【感情に振り回され続けてきた私の人生】
感情をコントロールする、これは本当に難しいことだと思っています。
若い頃はこみ上げてくる様々な感情に振り回される日々を送ってきました。
齢を重ねていくうちに、最近では妻と議論をしなくなりました。
感情的になって議論を始めても、何も生産的なものは生まれないと骨身にしみて実感してきたからです。
最近では妻がいいがかり(?)を吹っかけてきても、どこ吹く風で受け流せるようになりました😊。
【ひふみんの感情整理の考え方】
先日、天才棋士といわれた加藤一二三さんの『感情の整理術123』という著書に出会いました。
勝つために常に精神を穏やかに保ってきた加藤一二三さん。
不本意な状況や不快な思いをさせられると、ついカッとしてしまったり、不満を抱いたり、我慢してしまうものです。
「怒ったら損だから絶対に怒らない」そう決めて、長い将棋人生を過ごしてきたそうです。
加藤一二三さんは「ひふみん」の愛称で親しまれています。
その「ひふみん」のインタビュー記事に、独特の「感情のコントロール論」が集約されています。
以下、興味ある「“ひふみん”の持論」を抜粋して、ご紹介します。
【ひふみん】
僕はですね、議論というのは、あんまりしないほうがいいと思ってます。
あ、えっと、議論を続けても平行線になるだけで、答えが出ないんですよ。だから理性を保つことが大事です。その、理性は、人間でいうと“目”ですよね。
あ、あのですね、目というものがしっかり見えないで道を歩くと、つまずきます。でも、しっかり見えていると、道をまっすぐ歩けます。それに該当するのが、理性です。
だから、その、理性っていうものを、しっかり使って歩んでいくと、脱線はしませんよ。
【インタビュアー】
よく「喧嘩するほど仲がいい」とか「議論できるのがいいカップル」と言われるけど、必ずしもそうとは限らないんですね。
【ひふみん】
あ、はい、えっとね、我々が幸せに人生を送っていくために必要なのは、やっぱり、理性ですからね。
相手の欠点が気になる人には、“丸太”のような欠点がある。
【インタビュアー】
さっきの理性の話につながりますが、ひふみんさんは、どんなに敗戦を経験しても悔しさを見せないですし、感情のコントロールがうまいなと思います。
【ひふみん】
あ、ああ、はい、ありがとうございます。
【インタビュアー】
わたしは仕事でも恋愛でも、何か嫌なことがあるとすぐに感情を爆発させちゃうんですが、理性で抑えるのってどうすればいいんでしょう?
【ひふみん】
そうですね。あの、こういう考え方もあるんですよね。たとえば、相手に嫌なことを言われたとする。その人の欠点は、おがくずのような、小さな欠点。おがくずっていうのは、あの、木のなんか、ちっちゃいもんです。
それは相手の欠点だから、なんとか、直してほしいと思う。おがくずを取り除きたいと思う。でしょ?
【インタビュアー】
めちゃくちゃ思います。なんだったらおがくず思いっきり引き剥がす勢いで、ストレートに指摘する。
【ひふみん】
でもね、そのおがくずのような欠点を取りたいと思っているあなたにはね、あの、丸太のような欠点があると。こんなね、目には入りきらないような、大きな欠点があるんですよ。
だからね、欠点は誰にでもあるということを、覚えておかなきゃいけない。あ、つまり、自分にはもしかすると、相手より大きな欠点があるかもしれないのに、他人を裁いてはいけないんです。
【インタビュアー】
グサーっときました。今までの所業を反省しました……。まさにおっしゃる通りだと思います。
【ひふみん】
あ、あとは「人間の行動にはすべて根拠がある」と、思うようにする。
【インタビュアー】
根拠?ですか。
【ひふみん】
たとえば、仕事で、行き当たりばったりの対応をしてくる人がいるとするでしょ。
【インタビュアー】
行き当たりばったり……無計画で猪突猛進して最終的に迷惑かけてくるタイプの人かな。そういうの絶対許せないと思ってしまいます。
【ひふみん】
こちらからすると「なんてひどい。こんな、なんの考えもなく行き当たりばったりで接してくるなんて」と思うことも、多いんだよね。でも“行き当たりばったり”は、その人にとってひとつの成功法で、あえてやっていることも多い。
【インタビュアー】
た、たしかに……。その行き当たりばったり感が、結果的に誰よりも早く成果につながったりしますもんね。
【ひふみん】
そういう相手の行動における根拠を考えると、冷静になれるでしょ。だからね、これも知恵としてね、持っておくといいですよ。
(以上)
長い間、勝負の世界で培ってきた「ひふみん」の持論は、含蓄ある示唆に富んだ「感情の整理論」です😊。