団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

SNSが文学の世界に影響を与えている

【「君の名は」の今と昔】

「君の名は」といったら2016年に大ヒットした新開誠監督の映画を誰もが思い起こします。

 

 しかし高齢の女性だとそうでないかもしれません。

 

 1952年に始まったラジオドラマ「君の名は」は、その後映画やテレビドラマ化され、大ヒットしました。

 

 特にテレビで放映されるようになると、その時間帯は、銭湯がガラガラになったなどと噂されました。

 

 当時幼かった私は、そのテレビドラマを熱心に食い入るように見ている母親を見ながら、ドラマの終わりに差し掛かると、主人公の二人が様々な障害により、逢瀬がかなわず、今日もすれ違いに終わるという展開で、次回に持ち越しになるのを、不思議な気持ちで母の横で見ていたのを、おぼろげな記憶ながら覚えています。

 

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【情報通信化が文学作品づくりに影響を与える】

 メロドラマというジャンルの文芸作品には、こういった「すれ違い」を繰り返しながら展開する作品が多くあります。

 

 ところが情報通信化がすすむ中で、「携帯は作家たちを悩ませている」と推理作家の夏樹静子さんがエッセーに書いています。

 

 人と人との連絡手段が便利になり過ぎて、とりわけ恋愛物で読者の胸を打たせる<すれちがい>のドラマが作りにくくなったといいます。

 

<さまざまな制約の下でこそ恋の情念はせつなく燃え上がるものだというのに>(『往ったり来たり』文芸春秋)

 

 夏樹さんがこの文章を書いたのは16年以上も前のことです。

 

 たしかにベテランの作家さんにとっては、すれちがいのドラマ展開の作品をつくるのは、難しい時代になったなと思います。

 

 携帯が普及し始めた時代から、スマホの時代になり、男と女の恋愛をめぐるコミュニケーション手段も大きく変わってきているようです。

 

 もっともこの話題については、恋愛をする対象からとっくに卒業した私にとっては、これ以上語ることはできませんが😊。

 

【懸念される新たな犯罪】

  話は変わりますが、最近気になるのは、SNSをたくみに利用し、家出願望の少女をおびき出す事件が相次いでいることです。

 

 SNSの普及により親の目の行き届かないところで、よくわからない相手と簡単にコミュニケーションがとれてしまう時代となって、女の子を持つ親はさぞかし大変だろうと思います。

 

 情報通信技術は今後もますます発展していくでしょうから、文学の世界や男女をめぐる新たな形態の犯罪などに、どんな影響を与えていくのか関心をもって見ていきたいと思います。