団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

森の保水力を取り戻せ

 今回の台風19号による各地の河川の氾濫は、甚大な被害を出しました。

 

 そのために堤防の補強が急がれています。

 

 しかしそれだけでなく、総合的な治水対策として、森林整備や遊水地の設置なども必要です。

【森の持つ水源涵養機能」

 特に過疎化が進む山間部での森林整備が急がれると思っています。

 

 森林土壌はスポンジのように多孔質で高い保水力を持ちます、これを「森の持つ水源涵養機能」と言うそうです。

 

 大雨の時にはある程度の貯水が可能であり、少々の日照りが続いても河川に流れ込む水量を一定に保ち、氾濫や渇水を防ぐことができるのです。

 

 この水源涵養機能により、森のことを「緑のダム」と呼びます。

 

【日本は有数の森林大国】

 日本の森林は約2510万㏊です。そのうち約1300万㏊(約5割)が天然林で、1000万㏊(約4割)が人工林、残りが無立木地、竹林などです。

 

 国土面積に占める森林面積は66%(森林率約7割)と有数の森林大国です。

 

 4割を占める人工林はかつて国有林を管理する営林署の専門スタッフや山を保有する地域の人達が森林を管理・保全していましたが、特に過疎化がすすむ地域の森林は荒れ放題という有り様です。

 

 

【放置された人工林の保水力の増強を】

 専門家は、放置人工林は木が密集して生えているため、蒸発作用は大きいのですが、平準化作用は、木の樹冠ではなく林床の土壌の状態で決まるため、落ち葉や下草がないと土壌が流出し、根が地表に見えているような放置人工林では、平準化作用が小さくなると言います。

 

 結果、総保水力が管理人工林より小さくなり、洪水緩和機能も小さくなります。

 

 そして荒れた放置人工林は、総保水力が小さく早いタイミングで増水し、一気にピークに達してしまうともいわれます。

 

「数十年に一度の」「これまで経験したことが無い」「最大級の」大雨はこれからも間違いなく降ることでしょう。

 

 打ちひしがれた被災者の姿を少しでも減らしていくために、森林の保水機能を取り戻していかねばなりません。