東日本に記録的な大雨を降らせた台風19号は、これまでの治水対策の限界を実感させられました。
毎日のニュースで流れる被災状況を見ながら、水がおしよせる怖さを皆さんが体験させられたことに、同情にたえません。
【外国と比べて自然災害が多い日本】
日本は、外国に比べて台風、大雨、大雪、洪水、土砂災害、そして地震、津波、火山噴火と自然災害が発生しやすい国土なのだと再認識させられます。
日本の国土の面積は全世界のたった0.28%しかありません。
しかし全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の20.5%が日本で起こり、全世界の活火山の7.0%が日本にあります。
また、全世界で災害で死亡する人の0.3%が日本、災害で受けた被害金額の11.9%が日本の被害金額となっています。
このように、日本は世界でも災害の割合が高い国なのです。
【異常が通常になる時代に】
7月の西日本豪雨の際、気象庁は「数十年に1度」とされる大雨の特別警報を11府県に発令しました
また、7、8月には全国で気温40度以上の日が続出し、熱中症による死者が相次ぎました。
台風は8月だけで9個、うち5個が5日連続で発生し、観測史上初めての現象でした。
近年、気象庁の発表などに「数十年に一度の」「これまで経験したことが無い」「最大級の」という冠のつく表現が当たり前のように使われるようになっています。
まさに異常が通常になりつつあるのです。
しかもその傾向は、さらに強まると予想されています。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は,地球温暖化が進むと極端な気象が増えると警告しています。
海の氷がとけると海流も変化し、影響は地球規模に及ぶ。
名古屋大学などの研究グループは「対策をとらないまま海水温が上昇すれば、今世紀中に風速67メートルを超すスーパー台風が、日本列島を直撃する」と予測しています。
自然の力の前では、私達人間は無力だと改めて実感させられます。
日本は災害列島であることを前提に、日頃やれること、やるべきことの総点検をすべき段階にきているのかもしれません。