【緊急避難の旅】
住んでいる集合住宅の排水管補修で日中水が使えない日が何日か続くので、避難を兼ねて旅に出ることにしました。
妻が兼ねてから行ってみたいと言っていた小布施を目指します。その前に健保組合の保養所のある軽井沢に一泊です。
ショッピングには興味がないので、軽井沢に着いたのはよいのですが、どこに立ち寄ろうかとなりました。
ネットで調べてみると、星野温泉にハルニレテラスという土産小物と食事処の店が並ぶ場所がありました。星野温泉はいま全国にリゾート開発・運営を展開する星野リゾートの本社があり、星野温泉の3代目が社長です。
興味があったので、行ってみました。車を駐車場に入れるのに、ちょっと手間取りましたが、なかなか雰囲気の良い空間です。
若いカップルは勿論、家族連れ、シニアカップル、いろんな人達が楽しんでいます。ここは川が流れていて、その流れに合わせた遊歩道がしつらえてあります。
これも星野リゾートが仕掛けたものなのでしょうか。
お店を覗いてみると、いまはやりの「映え」するメニューが並んでいます。
私のようなものには、とても口に会いそうもないので、早々に中軽井沢に引き返し、昔からある「かぎもと屋」に入り、とろろそばを注文しました。
久しぶりに食べましたが、相変わらず安心できる味に満足。
食後に中軽井沢駅に行ってみると、駅舎がきれいになり、図書館や観光案内所なども併設された複合施設に生まれ変わっていてビックリしました。
その後不穏な雲が空を覆い、雷が鳴りだしましたので、早々に宿にチェックインしました。
しばらく夕立が降り、気温が下がりぐっと快適に、やはりこの地はあちこち動き回るよりも、部屋で静かに過ごすのが一番似合う所だ、などと思ってしまいます。
【北斎の作品を見に行く】
翌日は小布施町に向かって移動しました。
高速道路を利用しようかと思ったのですが、調べてみると一般道路でも、さほど到着時間に差がないようなので、下道を走らせることにしました。
高速道路は便利ではありますが、普通の道をのんびりと、まわりの風景や人の営みなどを眺めながら行くのは、旅の醍醐味です。
小布施に到着して、真っ先に向かったのが「北斎館」、画狂人といわれた葛飾北斎のいろいろな作品が展示されています。
なかでも目を引くのが、北斎筆の天井絵が描かれた二基の祭屋台です。
東町祭屋台の「龍」「鳳凰」は北斎が85歳、上町祭屋台の「男浪」「女浪」の怒涛図は86歳の時の作品だそうです。
こんな小さな町にこのような豪華絢爛な屋台が練り歩いたのかと、只々驚きです😊。
次に向かったのは曹洞宗の「岩松院」というお寺です、ここも本堂の天井に北斎が描いた「八方睨み鳳凰図」があるので有名なお寺です。
北斎館はガラス張りの保管状況の良い状態ですから分かりますが、岩松院は普通の状態で今日まで保ってきたにも関わらず、その色の鮮やかさが保たれているのには驚きです。
聞けば染色の原料は、当時でも超高級なものが、ふんだんに使われたそうです。
北斎は小布施の豪農商・高井鴻山の庇護のもとで、晩年になってからこの地に4度も訪れてこれらの作品を残したそうです。
高井鴻山の記念館も近くにあったので、行ってみました。
ここで発見したのが、「北斎は頼みもしないのに、ふらりとやってきて、私に挨拶もなしに、いつの間にか去っていきました。」という鴻山の言葉。
いかにも北斎らしいと思わず笑ってしまいました😊。
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