「山の郵便配達」という映画があります。中国映画で1999年に公開された映画で、古い映画の中で黒澤明の「生きる」に並んで私の好きな映画です。
中国の湖南省西部の厳しい山岳地帯で長い間郵便配達員を務めてきた父親が、足を悪くして24歳の息子に仕事を譲ることにします。父親の最後の郵便配達に同行し、息子は多くのことを学んでいきます。
親子2人が郵便配達をする3日間を淡々と追いながら、少しずつ変化していく親子関係を静かに描いた秀作です。
世代交代する親子を通して、自分の仕事に誇りを持って生きることの素晴らしさも教えてくれます。
中国の山間地域ののどかな風景は、日本人が見てもどこか懐かしさを感じ、しみじみとした味わいのある映画でした😊。
最近、私の従兄弟が「簡易郵便局」を廃業したのを聞かされました。
親が特定郵便局を営んでいたのを受け継ぎ、頑張っていたのですが、2007年の郵政民営化後は、特定郵便局は廃止され「簡易郵便局」として頑張っていました。
業務の多様化や新サービスの変化への対応に苦戦していたようです。
加えて従姉妹が病にかかり、業務の継続が難しいと判断したようです。
過疎化の進む地域でしたから、近所の高齢者からはかなり引き留められたといいます。
地方に出向いた際、金融機関が少ないので郵便局の存在は本当に助かります。
限界集落のようなところでは、一人暮らしの高齢者の安否確認も兼ねた郵便配達員の訪問は大事な付帯的役割を担っているといいます。
そうはいっても現在は民営化された一企業ですから競争にさらされています。
ヤマト運輸はネット通販などの配送量の激増に対応して、夜の配送を制限し社員の労働をケアし、さらに配送料を値上げしました。
そのあおりを喰って、ゆうパックの取扱量が激増しているようです。
そのためこの9月から配達希望時間帯の拡充を行うことを発表しました。
「働き方改革」が叫ばれている昨今、配送業務の拡充が労働強化につながり、自分の仕事に誇りを持って働いている配達員のやる気を削がないよう気を付けてほしいものです😢。