楽しみにしていた二胡の演奏を聞きに行きました。公民館主催ですから、もちろん無料です😊。
二胡とは中国で生まれた楽器で、硬い木で作られていて、円筒にニシキヘビの皮が張られています。二本の弦を張り、馬の尻尾で作られた弓を弦と弦の間に挟んで、擦って音を出し演奏する擦弦楽器(さつげんがっき)です。
二胡はアジアのヴァイオリン呼ばれているそうです。
ヴァイオリンは弦がピンと張られていますが、二胡は緩んでいる弦を指で調節しながら繊細な音色を出します。
日本には胡弓という楽器があります。
胡弓ですぐに思い出すのは、越中八尾おわら風の盆です。
300年の歴史を誇る風の盆ですが、美しい所作で静かに進んでいく踊り手を盛り立てる「唄い手」「囃子」「三味線」「太鼓」。そしてそれを追うように奏でられる胡弓の音色は、目立たぬように控えめではありますが忘れられない音色として耳に残ります。
祭りの喧騒が終わったころ、静かになった夜の闇の遠くの方で、胡弓の音色が聞こえてきたりすると、しみじみとした気持ちになります。
私は二胡と胡弓は、音色的に同じ楽器だとばかり思っていたのですが、実は違う楽器だということを、今回はじめて知りました。ただ二胡と胡弓は同じ擦弦楽器ですし、音色は非常によく似ています。
私にとっては、同一の楽器と思っていましたから、風の盆の思い出が残っているせいか、胡弓(こきゅう)という言葉の響きの方が好きなのですが…。
さて、二胡の演奏に話をもどします😊。
今回演奏して頂いた方は、馬高彦(マ ガオイェン)という25年前に来日し、それ以来ずっと日本で二胡奏者として活躍されている方です。
最初に「草原情歌」「空山鳥語」という中国の有名な曲の演奏で始まりました。
中国の田舎の牧歌的な自然を想起させる名曲です。
続いて久石譲作曲の「もののけ姫」です。二胡の音色は、もののけ姫のメロディーと非常にマッチしていて、胸を打つ余韻が残ります。
途中の休憩時間に、馬さんを呼び止めて「馬さんの奏でる二胡の音色に涙がでてきました」と伝えている参加者がいました。
他に、小椋佳作曲「愛燦燦」や服部良一作曲「蘇州夜曲」など計14曲を演奏してくれました。
今回は地方自治体の僅かばかりの予算で企画されましたから、プロの奏者に対しては気の毒なくらい少ない謝金だったようです。こんな時には、参加者の方から一人ひとりはわずかでもいいので、演奏御礼の謝金を集めてもいいのかも知れません。
にもかかわらず、すばらしい演奏をしてくれたものですから、聞いていた私達聴者は大感激です!
中には無料で聞かせてもらったにも関わらず、「アンコール!」と叫ぶ人がいました。ちょっと図々しいんじゃない、と私は思わず苦笑してしまいました。
さすがに、奏者の馬さんも微笑みながら軽くかわしていました。
演奏を始める前には、自己紹介を兼ねて奏者が挨拶したのですが、「この公民館は緑に囲まれたすばらしい立地ですね。そしてこの演奏会場も天井がほどよく高く、広さも丁度よいすばらしい会場ですね」と言ってくれました。
お世辞なのは分かっているのですが、後ろに広い公園があるので、緑に囲まれた場所であることは本当です。
最後に馬さんを送り出した後、館長が「演奏会場のホールをすばらしいなどと褒めてくれましたが、古くて床が抜けそうなので、もうすぐ修復工事を検討しているのに、褒めていただけるなんて冷や汗がでました。」と言ったので、参加者一同で大爆笑しました😊。