団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

インスタント麺の実力

我が家ではこの半年ほど外で食事をする機会が、めっきり減りました。

 

ただ日々食事をしないわけにはいきませんから、家で食事をとる回数が増えているということになります。

 

その結果、外食にかかる出費は大幅に減ったものの、家での食事のための食材購入は増えていますから食費はそれほど減らせているわけではありません。

 

家で食事をするといっても、毎回妻が手料理を作るわけもありませんので、妻の不在時には、私にも作れるインスタントラーメンとかカップヌードルが昼食になります。

 

 最近改めて感じるのは、袋麺・カップ麺とも「おいしさ」が昔に比べて際立って進歩しているということです。

 

 私が若い頃にさんざんお世話になった「サッポロ一番」「チキンラーメン」「カップヌードル」なども健在で、懐かしい味を保っていますが、新商品を試してみると、本格的な味を追求しようとしていることに驚かされます。

 

f:id:dslownin:20201103121416j:plain

 

 自分で昼食をつくる機会が増え、スーパーマーケットでインスタントラーメンのコーナーを眺めてみると、その種類の多さの中で、思わず立ち竦んでしまうほどです。

 

 袋麵・カップ麺ともにかなりの種類が棚にならび、店の売り場面積のなかでも1,2を争うスペースではないかと思います。

 

 改めて日本人の家での食事を、インスタント麺が支えていることを実感させられます。

 

 ただ若い時の感覚で、インスタント麺ばかり食べていると栄養の偏りが心配になります。

 

 そこで袋麺を調理する際には、栄養を気にして、貧乏だった若い頃にはできなかった、ニラやもやしを入れたり、卵を落としたりして食べるようにしています(いまでも貧乏には変わりはありませんが…)。

 

 これまで認識不足でしたが、インスタント麺には、実はタンパク質やカルシウムが豊富に含まれているのです。

袋めん栄養成分表示の一例 (1食100gあたり)

エネルギー(kcal)

432

たんぱく質(g)

10.1

脂質(g)

16.2

炭水化物(g)

61.4

食塩相当量(g)

4.8 (めん・かやく:2.0 スープ:2.8)

カルシウム(mg)

200mg

 

カップめん栄養成分表示の一例 (1食77gあたり)

エネルギー(kcal)

357

たんぱく質(g)

10.3

脂質(g)

15.0

炭水化物(g)

45.4

食塩相当量(g)

4.8 (めん・かやく:2.0 スープ:2.8)

ビタミンB1(mg)

0.23

ビタミンB2(mg)

0.31

カルシウム(mg)

113

(一般社団法人 日本即席食品工業協会 インスタントラーメンナビ より )

 

  日本即席食品工業協会では、インスタント麺に日頃不足しがちなカルシウム等の強化剤をできるだけ添加することを推奨しているのです。

 

 また塩分の摂り過ぎを心配するのであれば、スープの摂取量で加減すればよいのです。

 

 栄養面まで工夫している今のインスタント麺、その美味しさと相俟って家の食事を支える「強い味方」であり続けるのだと再認識している次第です。

 

 

昔ながらの中華そば 5食パック×6個
 

 

 

魅力度低いとレッテルを貼られた地域よ、めげるな!

 都道府県魅力度ランキングというのが毎年発表されて、マスコミでよく話題になります。

 

 しかし市町村別の「魅力度ランキング」というものが発表されていることは知りませんでした。

 

 調査を行っているのは、民間調査会社のブランド総合研究所で、47都道府県と国内1000の市町村を対象に、認知度や魅力度、イメージ、居住意欲など全84項目からなっています。

 

 全国の消費者3万1734人から有効回答を得たもので、調査期間は、2020年6月24日~7月20日です。

 

 1位は京都市です。

 

京都の人は「そりゃ、そうどすわな~」などと涼しい笑みを浮かべて反応しそうです😊。

 

 そして全国最下位だったのが、千葉県の山武市だそうです。「やまたけし」「やまぶし」「さんぶし」ではありません。

 

「さんむし」と読みます。

 

 山武市は東に九十九里浜、西は山武杉が生育する丘陵地が広がっています。

 

関東最大級と言われるほどイチゴ狩り農園が多く、本須賀海水浴場は国際的な環境認証「ブルーフラッグ」を獲得した県内でただ一つのビーチです。

 

二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す「ノンカーボンシティ」を県内で唯一宣言するなどの特徴がありますが、魅力には結びついていないようです。

 

 山武市の松下浩明市長は「このままにはしておけない。これを機に市民一丸で一層知名度アップに奮起したい」と、起死回生へ強い意欲をのぞかせています。

 

f:id:dslownin:20201101051245j:plain

     Lukas JancickaさんによるPixabayからの画像

 

 都道府県魅力度では、北関東3県がビリ争いで、いつもマスコミにいじられています。

 

 しかしこのランキングが低いからといって、落ち込んだり、不名誉だと思ったりするのはもうやめた方がいいと思っています。

 

 地域の魅力をはかる物差しにもいろいろあるでしょう。

 

 圧倒的な歴史的文化遺産をもつ京都が魅力的なのは当たり前です。

 

 しかし角度を変えてみると、よそ者が移り住んだ場合、京都には「よそ者を受け入れない排他的気質」があるともいわれます。

 

 いま発表されている魅力度の物差しで測ると魅力度が低いからといって、目くじらをたてて騒ぎ立てる必要もないでしょう。

 

 むしろアフターコロナの時代に大事なことは、東京から地方に拠点を変えて、「新たなワークスタイル・生活スタイル」を模索しようとする若者たちを、寛容に迎え入れることのできる力(寛容力)といった物差しの方が大事なのではないでしょうか。

 

 新たな働き方や生活スタイルを求めてやってくる東京や都市部の若者を、オープンマインドでいかに寛容に迎え入れられるか。

 

 わが地域に入ってこようとする、志ある人達がやろうとしていることを認められるか、そして応援できるか。

 

 そんな物差しが、地方に移り住もうとする人たちに「選ばれる地域」になると思います。

 

 そんな意味からいえば、北関東3県や千葉県の山武市などは、東京からのアクセスもよいのですから、選ばれる可能性を秘めた地域ではないかと思っています。

 

 いまの魅力度ランキングが低いなんて気にするな!

 

 新たな物差しに沿って、個性ある魅力を作り出そう! と言いたいです😊。

 

変わる職場、変わりゆく街

 久しぶりに以前通っていたオフィスに顔を出しました。

 

 ドアを開けて中に入ると、スタッフが一斉に挨拶をしてくれます。

 

 皆元気そうで、なによりです。

 

 机にはそれぞれアクリル板が貼られています。

 

 女性スタッフが飛んできて、手の消毒を促してから、ハンディー検温器を私の首にあてて、体温チェックをしてくれました。

 

 しかし検温器の性能に問題があるのか、33度の表示を示します。

 

 おかしいとばかりに何度も測りなおしますが、適正と思われる数値は結局得られませんでした。

 

 中国製と思われるこのハンディー検温器は、他のオフィスでも同様のトラブルがあり、本来の役目をはたさないことが、時折ありました。

 

「熱はないですよね?」と私に確認した後、「ま、いいか」とばかりに入室許可がおりました。

 

 ここは相談に見える外来者がきますので、検温器の不調は気になるところです。

 

日本の検温器メーカーさんに、正確に検温できる機器を手ごろな値段で、早く提供してほしいものです。

f:id:dslownin:20201030101048j:plain

      Ronny OverhateさんによるPixabayからの画像

 

 このオフィスの責任者としばし話をします。

 

 自粛期間中は、利用する外来者もほとんどなく、閑古鳥が鳴いていましたが、徐々に利用者が戻ってきているようで、一安心といったところです。

 

 この職場は若者を中心に、就労や自立に向けた支援活動をしています。

 

 昨年までは人手不足の環境のなか、それでも自立に向け一歩踏み出せない方々が相談の中心でしたが、最近はコロナ禍の影響で職を失った方々がかなり相談に見えています。

 

 行政からの委託事業ですが、コロナ感染を恐れて行政側からは、なるべく直接会って相談に乗るのでなく、ZOOMやSkypeを活用してのオンライン相談にしてほしいとの要望が出ているそうです。

 

 しかしここに相談にこられる方の大半は、オンライン相談に対応できるオンライン機器を使いこなせるとは思えない方々です。

 

 こういった点でも、現場を無視した原則主義を通そうとするところは、相変わらずだなと感じてしまいます。

 

 昔の私だったら行政側の担当者に「現場をもっと知れ!」などと嚙みついているところです。

 

【変わりゆく街】

 

 オフィスを出て、懐かしい街中をしばし散策しました。

 

 あったはずの飲み屋さん、レストラン、古本屋などが閉店してしまっていました。

 

 この街は比較的地価が安く、交通の便もよいところから、近年若い人達に人気の街だったのですが、長年この地で営みを続けていた店が、無造作に店じまいをしている光景を見てコロナ禍の影響の大きさを実感させられます。

 

 馴染みだった店で、お茶を飲みながら、マスターとしばし話をさせていただきましたが、やはり暗い話が中心になってしまいます。

 

それでもマスターは、近所の若い商店主の方々とともに、「コロナには負けないぞ!」と一歩先を見据えて結束していると聞いて、救われる思いです。

 

 店を出て、すこし寂しい思いを抱きながら、街をあとにしました。

 

 

 

若者の東京離れ現象は今後も続くのか

 総務省の9月の住基台帳人口移動報告が発表され、東京都は3か月連続で転出者数が転入者数を上回る「転出超過」となりました。

 

 都市部での新型コロナウィルス感染拡大が影響しているとみられています。

 

 7月に転出超過となったときには、おやっ!と思ったのですが、3か月連続となると、別の感慨が湧いてきます。

 

 最近「若者の東京離れ」とか「コロナで田舎への移住が加速」という報道が目立つようになりました。

f:id:dslownin:20200809093820j:plain

     andrea CandrajaさんによるPixabayからの画像

 

 当初想定していた以上に、多くの企業でテレワークが推進されるようになって、出社する人数を制限したり、出社日数を制限するところも出てきたようです。

 

 企業にとってみれば、テレワークで仕事がまわるとなれば、交通費の削減にも繋がりますし、社員の通勤負担の軽減にもなります。

 

 テレビでも「社員にムダな出社をさせていませんか?」などという広告メッセージが流れています。

 

 テレワークに適した業種・業態の企業などは、都心に借りていたオフィスを、郊外に移転したり、思い切ったオフィススペースの縮小の動きなども加速しているようです。

 

 コロナ禍の収束が見えないうちは、このような傾向が続いていくのかも知れません。

 

 一方で、若者の中に地方志向の意識が高まっているという総理府による調査結果も出ているようですから、コロナ禍という一過性の動きだけではない、新たな潮流が起きているのだとしたら、個人的には歓迎すべきことだと思っています。

 

 コロナ感染対応の中で、地方自治体の首長の存在感が高まった気がします。

 

 各首長はこの動きを逃さず、地域の諸資源の見直しを行い、地方志向の若者を引き寄せる環境づくりを急ぐ必要があります。

 

 テレワーク関係の男性の若者もさることながら、長い間、地元に働く場がなく、職を求めて東京に転入してきた若い女性の存在を見逃してはなりません。

 

若い女性達を地元に留める、地元に戻すための仕事づくりに、本気で工夫をこらしてもらいたいとものだと思っています。

 

 

ぷちサンプル じいちゃんばあちゃんち BOX商品 1BOX=8個入り、全8種類

ぷちサンプル じいちゃんばあちゃんち BOX商品 1BOX=8個入り、全8種類

  • 発売日: 2015/10/05
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

久しぶりにバラを観に公園に行ってみた

 久しぶりにバラを観に公園にやってきました。

 

朝、散歩の途中、近所のお宅で綺麗に咲いているバラを見かけて、そういえば秋の今頃、何種類ものバラが鑑賞できると思い出したのです。

 

一昨日は穏やかな天気でしたので、出かけて見ました。

 

以前は朝の散歩で、この公園まで足を伸ばしたものなのですが、少し距離があるので、最近は専ら家の周りのコースでお茶を濁していました。

 

この公園には、バラ園の隣にさまざまな遊具や広場もあるので、子供達が小さい頃によく遊びに連れてきたものです。

 

来てみると、カメラと三脚を携えた写真愛好家、小さい子を連れた母親、老夫婦、女性グループなどで賑わっています。

 

広場では、保育園児たちが走り回っています。バラ園に近づくと、たちまちバラの香りに包まれて、安らかな気分にしてくれます。

 

 表示には30種類以上とありますが、50種類くらいの薔薇が咲き誇っています。

 

 いったいバラの種類は何種類くらいあるのでしょうか?

 

 調べてみても「かぞえきれないほどの種類」としか分かりません。

 

 ここのバラ園だけでも、日本各地で生み出された新たな品種のバラが1コーナーを埋め尽くしています。

f:id:dslownin:20201023094553j:plain

 

 毎年、新たな品種が誕生しているのでしょうから、はっきり何種類といえる人はいないのかも知れません。

 

 一つ一つのバラとその名前の表示を見比べていると、新しく誕生したバラへの想いをその名前に託した開発者の気持ちが名前に滲み出ているような気がします。

 

 一通りまわった後、ふと鑑賞している人々に目を向けて、今までなら必ず登場する役者が足りないことに気づきました。

 

 以前なら必ずといっていいほど登場する役者は、高齢者施設に入っている方々です。

 

 施設のスタッフに車椅子を押されながら、穏やかな表情を浮かべて、きれいなバラを飽きることなく鑑賞している姿があったのです。

 

 コロナ禍のなかで、気分転換のバラ園への外出もままならないのでしょう。

 

 そんな中、本日「厚生労働省は22日、新型コロナウイルス対策を検討する助言機関の会合で、高齢者施設の面会制限を緩和する条件を提示した」との報道がありました。

 

 加えて「不必要な外出制限もしないよう施設側に求めており、高齢者の心身の機能低下を防ぐ狙いがある」ともあります。

 

 そろそろ感染防止のためとはいえ、施設内に閉じ込めておくのも限界があるのかもしれません。

 

 

 

「ひとりカラオケ」もいいのかもしれない

 コロナ禍の影響で、イライラすることが多くなったという人が増えているようです。

 

 我が家でも、娘が家で仕事をする日が増えたせいか、そろって家にいると誰かがイライラしていることが増えました。

 

 家人がイライラしている時には、私はふらっと散歩に出ることにしています。

 

 以前は、かなり遠くまで散歩に出かけたのですが、現在はせいぜい往復1時間程度です。

 

 家を出て日光を浴びながらの散歩は、精神的な安定をもたらすセロトニンが分泌されるのでとても良いようです。

 

 さらにセロトニンを分泌させるのに効果があるのが、「歌うこと」だといいます。

f:id:dslownin:20201003121309j:plain

    Ralf KunzeさんによるPixabayからの画像

 

 とはいっても、家の中で大声で歌うわけにはいきませんから、カラオケ店にでも行かないと、歌う環境はありません。

 

 コロナウィルス感染場所にカラオケ店がよく挙げられていますから、今の状況では足が遠のいてしまう人が多いことでしょう。

 

 私は歌うことは嫌いではありませんが、自らすすんでカラオケ店に出かけるようなタイプではありません。

 

 酔った勢いでカラオケ店に繰り出すというのが、私のカラオケ経験のすべてです。

 

 感染予防の点から、カラオケ店に行くのであれば「ひとりカラオケ」がよいようです。

 

 数年前に、私が時折訪ねる職場のある女性が、仕事の帰りに一人で、よくカラオケ店に行くと聞いて驚いたことがあります。

 

 その女性は、歌うことが好きなこともあるのですが、ご主人の仕事の帰りが遅いので、仕事が終わると、まずカラオケ店に行き、思いっきり歌って気分転換をするようです。

 

 いまでは「ひとりカラオケ」というのが当たり前の時代ですが、当時私は女性が一人でカラオケ店にいくと聞いて、「すごい!」と思ったものです。

 

 2年ほど前、何年か振りに再会した親しい友人3人と、飲んだ後にカラオケ店にいったのが最後ですが、その時には、若い頃によく口ずさんだ思い出の歌を次々と選曲しては、時を忘れて皆で歌ったものでした。

 

 カラオケ店といえば、私にとっては、皆で楽しく話しをしながら歌うという経験しかありませんから、「ひとりカラオケ」というのはどうしても抵抗があります。

 

 しかし、今のような状況がもうしばらく続くのであれば、セロトニンを分泌させるためにも、一人でカラオケ店に足を運んでみるのもよいのかもしれない、などと思ったりしています😊。

 

 

【第3類医薬品】イソジンうがい薬 250mL

【第3類医薬品】イソジンうがい薬 250mL

  • 発売日: 2016/08/22
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品
 

 

新たな“時間どろぼう”との闘い

 今、児童書・絵本が売れているようです。

 

 コロナ禍のなか、学校の休校や幼児の休園により、家にいる時間が多くなったりしているせいでしょうか。

 

 児童書・絵本といっても子供が読むものとは限らず、大人が読んでも考えさせられたり、含蓄を与えてもらったりという本がたくさんあります。

 

 私も娘が小さい頃に、読み聞かせてあげた絵本がありますが、その絵本が今でも売れていると知ると、何か懐かしい思いに駆られます。

 

 なかでもドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデの「モモ」が再び売れているようです。

 

 この本は子供に読み聞かせたというより、私自身が興味深く読んだ本でした。

 

 物語は、人間なら誰もがつねに意識する「時間」がテーマとなっています。

f:id:dslownin:20201018103700j:plain

       Mabel AmberさんによるPixabayからの画像

 

 以下のようなあらすじです。

(アルペジオさんのあらすじ・書評ブログより抜粋・引用させていただきます)

 

時間どろぼうと、盗まれた時間を人間に取り戻してくれたモモの不思議な物語。

人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に「時間」の真の意味を問うエンデの名作です。

 

とある大都会の町はずれ、劇場が寂れた廃墟に突然謎の少女があらわれます。

 

髪はボサボサ、服は体にあっていない。足の先まで汚れています。

 

決して清潔とはいえない見た目をしています。

 

少女はモモと名乗りました。それ以外何もわかりません。

 

得体の知れないモモですが、廃墟の付近に住む人々は、皆モモを慕っています。

 

モモの近くにいると、不思議な力が湧いてくるのです。

 

楽しい遊びや楽しい話しが浮かんできます。

 

人々はモモのために、廃墟の舞台下を住みやすいように整えてあげました。

モモがみんなに好かれるのは、きっと、モモがいつでもモモだからです。

 

「いくら前のことを思い出しても、私はすでにもういたもの」

「ここが私のうちだもの」

 

人々はモモにいろいろ質問をしてみますが、モモはあっけらかんと答えます。

 

自分は自分。何にも惑わされないモモ。

 

そんな姿が、人々を安心させたのでしょう。

 

モモがあらわれてから、平和で楽しい日々を過ごしていた人々でしたが、

「時間どろぼう」の出現により、その生活は奪われます。

 

 時間どろぼうたちは「時間貯蓄銀行の外交員」を名乗り、人々に、時間を貯蓄することをすすめます。

 

人々が、どれほど無駄な時間を使っているかを数字で示し、時間を節約させ、余った時間を奪っていくのです。

 

 時間を節約すると、どうなるでしょう。

 

丁寧に接客し、仕事をしていた時間は、手早く、ぶっきらぼうに済ませてしまいます。

 

 面倒を見ていた家族を、あっさり施設に入れてしまいます。

 

 ペットの世話をする時間を省くため、ペットを売って手放してしまいます。

 

 本来なら大切なはずの時間を、皆、無駄だと思い込み、どんどん削っていってしまうのです。

 

 そんな時間どろぼうたちの企みに、唯一惑わされないのがモモでした。

 

 モモは、人々がせかせかし、変わってしまったことに戸惑います。

 

 それでもなんとか、モモはモモでありつづけたのです。

 

 そんなモモを、時間どろぼうたちが、ほうっておくはずがありませんでした。

 

 どろぼうたちの追跡を逃れ、モモは「時間の国」へと案内されます。

 

 人々の時間を取り戻すための、モモの孤独なたたかいがスタートします。

 

【時間とはいったい何なのか?】

 時間は、だれにとっても身近なものですが、決して操ることはできません。

 1日は24時間と決まっていて、のんびり使うことも、切りつめて使うことも

できます。

 

 『モモ』では、時間を節約して無駄をはぶくことで、人々は皆、不愛想で温かみのない人間になっていきます。

 

 これは、現代の生活のなかでも当てはまることだと思います。

 

 時間に追われて生活すると、なにか大切なものを見失っていくような気がします。

 

 ゆったりと過ごすと、ふだんは気付かなかった景色や、身近な人の変化にも

気づけたりします。

 

自分の時間の使いかたはこれで良いのかな?

 

 無駄に使っていると思う時間も、実は大切な時間なのでは?

 

 「時間」という不思議なものについて、立ち止まって考えるきっかけを、

『モモ』から、あたえてもらいました。

 

現実的なテーマに思えますが、ファンタジーや冒険的な要素もあり、ワクワクしながら読み進めることができます。

 

作中に登場する挿絵もすべて作者自身が手掛けており、読み手の想像を豊かなものにしてくれます。

 

 ぜひ幅広い世代の方に『モモ』の世界を楽しんでいただきたいです。

  (以上、アルペジオさんのあらすじ・書評ブログ 

            より抜粋・引用させていただきました。)

 

【新たな“時間どろぼう”の出現】

 今回のコロナ禍のなかで、子供たちや学生は入学式・卒業式を省略されたり、様々な楽しみにしていた行事が中止になったりして、彼らの青春の思い出づくりの1頁1頁を作成することが出来なくなってしまいました。

 

 思い出づくりの時間を持てなかった、つまり新たな形での“時間どろぼう”に襲い掛かられたのです。

 

 我が家のことでいえば、コロナ騒動直前に施設に入った義母との面会時間を奪われました。

 

 いつまで続くのか先の見えないコロナウィルスへの対応ですが、これからの時間をどのように工夫して過ごせばよいのでしょうか。

 

 集まれないけれども、つながりを保っていけるような工夫をして、乗り切っていかなければなりません。

 

 

モモ (岩波少年文庫)

モモ (岩波少年文庫)