団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

米国の若者が社会主義に共感(その2)

【前オバマ大統領が社会主義者?】

 米国の若者の間に社会主義への共感が広まったのは「格差の拡大」であることは前回のブログで触れたとおりですが、オバマ前大統領が保守派から「社会主義者」と呼ばれていたことも関係しているのではないかといいます。

 

 オバマ政権が導入した医療保険制度「オバマケア」は、民間保険への加入を促す補助が柱でしたが、「社会主義的な政策」と評されました。

 

 オバマ氏のことを好感する若者の多くは「オバマ氏が社会主義者なら、社会主義も悪くはない」と感じたのではないか…。

 

 

【高齢者と若者の間に温度差】

「高齢者と温度差がある」というのは米国の左派に関する著書が多数ある、米ジョージタウン大学のマイケル・カジン教授です。

 

 冷戦が終結して30年が経ち、格差が拡大するばかりの米国資本主義社会に、若者は嫌気が指しているのではないかといいます。

 

 社会主義体制は言論の自由もない暴政や一党独裁を意味します、トランプ大統領をはじめ与党・共和党はそのあたりを分かっているから、野党民主党を「急進的な社会主義政党」と呼んで攻撃しています。

 

 社会主義への共感は、民主党の左派に勢いを与えていますが、若者よりも高齢者の方が、投票に行く傾向が強いことを考えると、民主党にとって有利にも不利にも働き得るのではないかとカジン教授は分析しています。

 

 米国で社会主義と言えば「民主社会主義」を指すのが一般的です。民主社会主義者を名乗るバーニー・サンダース上院議員は、社会福祉政策を拡大し、国民皆保険の実現や労働組合の強化を訴えています。

 

 富裕層への課税強化を訴えていますが、人々が裕福になることを否定しているわけではなく、企業の国有化も望んではいません。

 

 基本的には日本や欧州のような社会保障制度を実現すべきだと訴えているのです。

 

 カジン教授は、このような主張は米国民にとっては新鮮な内容だと言っています。

 

 民主党大統領選は混戦状態ですが、ここにきてサンダース上院議員がトップの指示を集めています。

 私も、現在の米国の状況を良しとしない若者たちが、今後どう動くのか注目してウォッチしたいと思っています。