団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

国後島まで16kmの地を訪れる

【地の涯ての半島】

  北海道道東の野付半島に行って来ました。

 吹雪のウトロ町散策をあきらめ、車を走らせ1時間、標津町を経て別海町に入ってすぐの道を左に入っていくと、左右が陸地はでない半島になっている道を進んでいきます。

 

  左がオホーツク海、右が真っ白に覆われた湾と、何とも不思議な光景を見ながら先へ先へと進みます。

 

  14㎞ほど車を走らせると、野付半島ネイチャーセンターがあります。

 

 野付半島とは全長26kmの日本最大の砂嘴(さし)です。


ここは春夏秋冬、様々な表情を見せる所ですが、真冬の現在は氷で覆われた野付湾を、ネイチャーセンターのスタッフの案内で歩いて散策することができます。

 

 最近では氷と雪に覆われた湾上で、「インスタ映え」する写真を撮るのが人気だそうで、若い人を中心に盛んに写真撮影を行っていました。

 

 エゾシカやキタキツネは人目を気にしながらも氷の上を、餌を求めて歩き回っています。

 

 ネイチャーセンターに到着する前、「トドワラ」という表示が何箇所かありました。センタースタッフに聞いてみると、海水に浸食されたトドマツが並ぶ場所で、現在も浸食が進んでいるため、いずれこの光景も見られなくなる場所だとのことです。

 

 

【四季折々の顔を見せる半島】

  春になり4月下旬からは「エゾエンゴサク」の花が咲き始め、5・6月になるとシコタンタンポポ、スミレ類、クロユリそしてセンダイハギ、その後加藤登紀子の歌に出てくる「ハマナス」が9月頃まで咲き続けます。

 

その他にも10月下旬まで10数種類の花を見ることが出来ます。

 

 また、ここは日本に生息する水鳥の40%が確認されている場所とのことで、2005年には「ラムサール条約」に登録されました。

 

【すぐそばに見える異国】

 ネイチャーセンターのスタッフと別れる前に、「あそこに見えるのが国後島ですよ、ここから16kmしか離れていないんです。夜になると国後島の民家の灯りが見えるんですよ。」と説明されました。

 

 いま再び熱く議論されている北方領土返還問題、道路脇のあちこちで「島を返せ!」という看板を見かけました。この地の人たちにとっては「北方領土返還」は私達以上に特別な思いがあるのだろうなと感じました。

 

 こんなに近くにある別の国、ロシアの人々の生活の営みが灯りを通して見えてくるような気がします。

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