団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

今必要な日本語教育

   外国人材受け入れ拡大をめぐる入管法改正案をめぐり、国会が揉めています。

 

  早く法案を成立させて、外国人人材を人手不足業種に送り込もうとする与党と、様々な問題・課題の詰めが不足しているので、さらに時間をかけて整理すべきとする野党との攻防が続いています。

 

 すでに日本には、多くの海外からの出稼ぎ労働者がいます。彼らの中にはさらに長く日本で働き続けたい方々がいるのですが、問題は「言葉の壁」です。

 

 特に家族で日本に在住する方々の子弟は、第一母国語が日本語でないだけに、学校の授業についていけないとか、クラスの子供たちとコミュニケーションがうまくできないので、友達もできなかったりするのが現状なのです。

 

 

   私の関わっているNPO法人でも、以前から日本語教室を開いています。日本語を教えているのはすべて日本語の指導資格を持った教師です。

 

 日本語の全くわからない状態からの受け入れもしています。


  また日本語以外にも、塾等で教えた経験を持つ講師たちによる算数(数学)や理科、社会などの教科学習の支援や、高校進学の支援も行っています。

 

 文部科学省による平成28年度の調査によると、日本語指導の必要な外国籍の児童生徒は34,335人に上ります。しかし、この調査での「日本語指導が必要な児童生徒」の基準は明確ではなく、「学校の先生が必要だと判断したから」という主観的な理由だけで回答され、実態が正確に反映されていない可能性があります。

 

 NPO法人の日本語教室の担当者に聞くと、彼らの多くの家庭が低収入という現実があり、子供たちは少しでも早く「稼ぎ手」となってほしいという親側の期待があるそうです。

 

 それが現実だとすれば、しっかりとした日本語教育を施すことは急務のはずですが、日本語を教える機関・団体は非常に少ないのです。

 

 文部科学省もこのような事態をうけての体制づくりが進んでいるとは思えないのです。

 

 そんな折、知人からベトナムからの留学生を対象にした日本語学校が、再来年長崎県の五島市に開校されるという話を聞きました。

 

 日本語学校は、五島市にある学校施設などを市が改修して整備し、100人のベトナム学生が2年間学ぶ予定だそうです。

 

 五島市としては、人口減少が続くなかで、若い留学生が地域を支える人材として活躍することを期待しているようです。

 

 日本語学校は五島海陽高校の今は使われていない寮の敷地内に建設予定で、整備費は約2億5500万円の予定です。

 

  そして留学生の経費は特別交付税の対象になるとのことです。

 

 人手不足業種の窮状に対応した、「外国人材受け入れ拡大」も急務かも知れませんが、長く日本を愛し、地域に溶け込んで、仕事も生活も続けていくことのできる外国人材を増やすための「日本語を教える」仕組みづくりが求められます。