団塊おんじ 人生100年時代を行く!

長く生きるかではなく、どう生きるかの試行錯誤録

*[歴史]

自然の背後に隠れているもの

日本民俗学の父といわれる柳田國男(やなぎた くにお)さんは、萩原朔太郎『青猫』に収められた「自然の背後に隠れて居る」という詩を好んでいたようです。(菅野覚明著「柳田國男」のあとがきより) 草むらの影、地平のかなたに「見えない生き物」の存在を…

“安い国日本”を抜け出そう

GDP(国内総生産)がドイツに抜かれて日本は第4位になりました。 色々な要因はあるのでしょうが、おしなべて日本経済の実力はじりじりと低下しているようです。 そんな中、先週日経平均株価は、1989年12月に記録した最高値3万9156円を34年ぶりに更新し…

おせち料理、作る?作らない?

12月に入り、神社の煤払いのニュースなどがテレビから流れ、お正月を迎える準備が各地で着々と始まっているようです。 我が家は母の特養への入所やらなりならで、慌ただしく時が流れるばかりで、お正月の準備等、何も手についていません。 年賀状作成は、一…

トランプ支持と差別感情

「オバマ元大統領は、どこで生まれた?」 読売新聞アメリカ総局長の今井隆氏は、7月以降、トランプ前大統領の選挙集会などを取材した際、支持者計20人にこの質問をぶつけてみました。 返ってきた答えは、14人が「ケニア」あるいは米国外、5人が「分からな…

中国で静かに育つ独立思考

最近、中国において政府による言論統制への抵抗が静かに広がりつつあるという趣旨の2つの記事を目にしました。 研究者自らがその集団に飛び込み、長期間にわたって観察する「参与観察」という研究手法があります。 東大の阿古智子教授は、大学院生時代から…

愛国心とはなんだろう

自分を含めて、日本の戦後世代は愛国心が希薄だといいます。 第二次世界大戦で敗戦国となった日本の為政者たちは、教育の方向性を見失い、義務教育における歴史教育にいたっては、近代史にほとんど時間をかけず、走り抜けるように教科書をなぞってお茶を濁し…

社会に潜む適応の落とし穴

環境に適応できた者が生存競争を勝ち抜くという考え方を、私たちはわりと素朴に受け入れています。なるべく早く、よく慣れた方が有利に決まっていると。 しかし、その環境が、認識しづらいほど緩慢に変化しているとしたらどうなのでしょうか。 独創的な手法…

何も持たなければ、気が楽になる?

時おり江戸時代の長屋暮らしをしている人々を題材にした小説を読むことがあります。 落語に出てくる「ハッつぁん、クマさん」の世界で繰り広げられるようなドタバタ劇は、布団に入ってから眠りにつくまでの、ゆったりと心落ち着かせる時間をもたらしてくれま…

田舎のお正月は昔と変わらない

次女の里帰り出産というイベントで、しばらく実家の様子を見に行くのが疎かになってしまいましたので、今年の暮れは少し早めに実家に行き、お正月の準備を手伝おうと考えています。 父は車の免許を返納してしまいましたので、買い物に行くのもままならない状…

人間は見かけほど違わない

“多様性の尊重”という動きが、世界中の新しい潮流として注目されています。 しかし人類進化学者の海部陽介さんは、「たった1種の人類ホモ・サピエンスしかいない現在は、人類の多様性が失われた時代だ」といいます。 10万年以上前までは、旧人であるネア…

民主主義国家の分断が止まらない

先日行われた米国の中間選挙では、民主・共和両陣営の激しい論戦が繰り広げられ、上院は民主が多数派を堅持、下院は共和党が多数派を奪還するという結果になりました。 争点の一つである「人工妊娠中絶」の是非においては、6月に連邦最高裁が、人工妊娠中絶…

3万1千年前の人類は手術の技術を持っていた

この発表を大変な驚きをもって知りました。 インドネシアのカリマンタン(別名ボルネオ、Borneo)島で発見された人骨から、約3万1000年前に足の切断手術が成功裏に行われていたことが明らかになったとする論文が9月7日、豪グリフィス大学などの研究チーム…

平和に逆行する流れを止めよう

プーチン・ロシアのウクライナ軍事侵攻が勃発して半年が過ぎました。 領土をミサイルで破壊し続けている状況は、まさに消耗戦というに相応しいものがあります。 プーチン氏は、ロシア人とウクライナ人の民族や宗教などの「歴史的一体性」を挙げて正当化しよ…

資源の乏しい日本を、政治はどう再生できる?

今度の週末は参議院議員選挙です。 早くもマスコミは、自民・公明の政権与党の過半数確保は確実、と伝えています。 こんな報道が先走って伝えられると、結果が分かっているのなら選挙に行かずともいいか、などと白けた雰囲気になってしまうのは私だけでしょ…

ウォーターフロントでのひととき

娘夫婦に誘われて、観光客船に乗ってきました。 週末に横浜ふ頭から観光船に乗って、昼食をとりながら東京湾内を周航するというツアーです。 娘夫婦は車でいくので一緒に乗せていくと誘ってくれたのですが、遠回りになるので我々は電車で向かうと断りました…

ロシア人は今何を思っているのだろう

同じ民族であるはずのウクライナを無謀にも攻撃し続けるプーチン率いるロシアの軍隊、イギリスの報道機関が入手したロシア軍内部の24時間にわたるやり取りが公表されたそうです。 そこには、上層部からのウクライナへの発砲命令に対して、「市民に何故銃を向…

非民主主義国家の方が民主主義国家より多いとは!

世界の国家は増え続けています。 東京オリンピックの開会式においても、「こんな名前の国があるんだ」などと何度も思いながら見ていたものです。 独立や民族自決などで、現在では196カ国の国家があるのです。 このうち、民主主義を採用する国家の人口は4…

57年前の東京オリンピックと何が違う

今日、東京オリンピックの開会式が開かれます。 せっかくプレミアムチケットを手に入れた人達は、無観客が決まり残念なことでしょう。 昭和39(1964)年に開催された前回の東京オリンピックの映像をみると、超満員の国立競技場を、日本選手団が颯爽と…

江戸時代は武士も庶民も同格だった

今、NHKの大河ドラマでは日本資本主義の礎を築いた「渋沢栄一」の生涯を取り上げています。 序盤のストーリーで、農民の息子であった渋沢が代官の理不尽な取り立てに怒る場面が描かれていました。 時代劇ではよく目にするシーンではあります。 私たちが学ん…

習近平とヒットラーがダブって見える

中国共産党・習近平政権の強権的な行動が止まりません。 対立する者を威圧し、時に力も行使する。 自らの非は認めない。 そんな今の中国・習近平政権をみていると、私はナチスドイツのヒットラーとダブらせて見てしまいます。 1940年、ヒットラーのドイツは…

新興国におけるデジタル化の脅威とチャンス

日本のデジタル化は、何故にこうも遅れてしまったのでしょう。 過去の経済発展のビジネスモデルにあぐらをかき続けてきたことや、縦割りで閉鎖的慣行を変えようとしなかった、行政の仕事の進め方に問題がある、と言われています。 かつてベトナムがベトナム…

保護主義の流れを止めろ

日中韓や東南アジア諸国連合⁽ASEAN)15か国がRCEP⁽地域包括的経済連携)に署名したとの報道を聞き、このところの世界の内向き志向の流れの中で、自由貿易の大事さを改めて感じました。 ふと、学生時代に学んだリカードの比較生産費説を思い起こし…

年明けに初詣に行くべきか、控えるべきか

早いもので今年も一月半を残すのみとなりました。 コロナウィルス感染騒動に振り回された一年ですが、年末年始恒例の二年参り、初詣はどのような影響を受けるのでしょうか。 大きな神社にとっては、コロナ禍の中、初の初詣の参拝客を迎えることになります。 …

アメリカは良識を取り戻せるか

今朝、バイデン氏が選挙人の過半数獲得し「当選確実」という報が入ってきました。 日本であれば、これで決着ということなのでしょうが、トランプ大統領は勝敗を決定づけたペンシルベニア州の投票の無効を法廷に訴えて徹底抗戦をする可能性が高いといわれてい…

100万人を上回る過去のパンデミックの歴史

コロナウィルス感染による死者はついに100万人を突破し、収まる兆しはみられません。 効果的ワクチンが開発され、沈静化するまで、おそらく死者の数はさらに増えていくものと思われます。 100万人というのは、とてつもない死者の数なのですが、過去の…

都市集中の弊害と Withコロナ社会

相変わらず東京一極集中が止まりません。 今年1月1日現在、東京の人口増加率は、0.52%で44道府県の人口が減少するなか、ほかに増加した沖縄県(0.16%)、神奈川県(0.05%)と比べても突出しています。 ますます東京が「人口が密」になる…

暴れ川の氾濫により、住めない場所が増えていく

今日も朝から雨が降っています。 いかに梅雨とはいえ、これだけ毎日降られるとウンザリします。 ただウンザリで済むならよいのですが、西日本はこれまでの災害に追い打ちをかける無情の大雨が降っており、重なる被害が心配なところです。 日本は、海に囲まれ…

自分たちは正しいと思ってしまう脳のクセを改めよう

今、アメリカ各地でコロンブスの銅像が相次いで破壊されているようです。 黒人男性ジョージ・フロイドさんの死をきっかけに全米で人種差別批判が強まっていますが、今度は批判の矛先がアメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブスに向かった格好です。…

白人至上主義そしてアメリカ至上主義

何年か前に家族で旅行した時、現地の日本人ガイドから聞いた衝撃的な情報を思い出しました。 それは、今でもアメリカ軍の施設は、食堂やトイレが白人専用、黒人用と分かれているというものでした。 当時、オバマ政権の最後の年だったように記憶していますが…

「持ち帰って検討します」の限界

聖徳太子の時代から日本は「和を以て貴しとなす」という調整型の価値観が重んじられてきました。 私たちの精神風土に深く根付いてきた「和の精神」により、社会の仕組みが形成されてきたのです。 しかし今回のコロナ危機への行政の一連の対応をみていると、…